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米田市長.jpg           米田徹 糸魚川市長米田 徹市長(以下市長) 明けましておめでとうございます。昨年は、ジオパークの広がりを実感できた年でした。長崎県島原市で開催された「ジオパーク国際ユネスコ会議」、高知県室戸市での「日本ジオパーク大会」では、国内外の地域と情報交換を行い、ネットワークを築くことができました。ジオパークを地域振興に活かそうと、認定を目指す地域も増えています。糸魚川は先進地として、方向性が定まってきたのではないでしょうか。これまで取り組んできた事業は、いずれも平成27年春の北陸新幹線開業を目標にしてきたところがあります。今年はさらに焦点を絞り、着実に前進していかなければならないと考えています。新幹線については多くの課題が残っていますが、 〝問題〟ではなく〝チャンス〟と捉えて動いていくつもりです。こんなに大きなチャンスは二度三度と訪れるものではありません。知恵を出し合って一つずつ課題を解決し、前向きにチャレンジしていきたいと考えています。

岩㟢 智理事長(以下理事長) 明けましておめでとうございます。私たち糸魚川青年会議所は、昨年45周年を迎えました。45年という歴史を振り返ると、『おまんた祭り』や『日本海クラシックカーレビュー』など、先輩たちが築き、定着させた偉大なイベントが沢山あります。これまでの青年会議所の活動に対して、市民の皆様をはじめ、行政、企業の方々から多大なご協力をいただき、改めて感謝申し上げます。46年目に突入する糸魚川青年会議所は、63名の大所帯でスタートします。今後も糸魚川を元気に盛り上げていきたいと思っていますので、よろしくお願い致します。


理事長 新幹線、ジオパークを契機に、糸魚川市は「交流人口の拡大」を目指しています。では、外から来る方は糸魚川にどんなことを期待しているのでしょうか。私は大和川海岸の近くでペンションを経営していますので、お客様の声をダイレクトに聞くことができます。お隣の長野県をはじめ、関東や関西から足を運んでくださるお客様の目的は、糸魚川の恵まれた海です。他所にはない魚種の豊富さが釣りファンを惹きつけますし、翡翠や姫川薬石も人気があり、石拾いを目的に訪れる方も多い。いずれにしても、遊びに来られた方の満足度は非常に高いです。糸魚川は、もっと地域資源に自信を持っていいと思います

市長 たしかに、糸魚川の海は砂利浜で、波打ち際の海水をコップに入れて飲みたくなるほど透明感があって美しいですね。北陸新幹線の中で、駅をおりてすぐに海へアクセスできるのは糸魚川だけ。この好立地をどのように活かしていくかは重要です。

理事長 自慢の海をもっとアピールするべきですし、並行して海を守ることも考えていかなければなりません。2008年に大量のペットボトルが糸魚川の海岸に漂着するという事件がありました。その際、真っ先に動いたのが青年会議所です。その時から海開きの前に清掃活動を行うようになったのですが、これは単純にゴミを拾うだけでなく、参加した方に海岸浸食の実態を知ってほしいという目的があったからです。浸食によって浜がなくなり、護岸がむき出しになっている現状は、かつての景観が損なわれているだけでなく、「安全安心のまちづくり」という観点においても危機感をおぼえます。海のそばで育ち、海の恩恵を受けて商売をしていますので、とにかくこの海を守っていきたいという気持ちが強い。草の根運動であっても、次世代のために何か行動せずにはいられません。

市長 海岸浸食については、市としても渚の再生に着手すべく動き出しています。岩㟢さんのように、地域に愛着を持ち、大好きな海のために率先して行動するという姿勢は、まちづくりの大きな原動力になると思います。ジオパークは、特徴のある自然資源を活かしたまちづくりと捉えています。大地はみんなそれぞれ個性を持っている。人間の価値観で貴重であるとか珍しいと区別しているだけであって、同じ地形は一つとしてないのです。では、何が一番の基準になるかといえば、やはり自分の故郷にどれだけ愛情を持てるか、そしてそれが地域全体にどれだけ広がっているかという点だと思います。まずは地域に愛着を持つ人をどんどん増やしていくことです。情熱を持った人たちがつながっていけば、一体感を伴ったまちづくりができるはずです。行政としても、様々な分野で市民が関心を持ち、参画できるようにしていきたいと思っています。

岩﨑理事長.jpg      岩﨑智 (社)糸魚川青年会議所理事長理事長 青年会議所のメンバーだけでなく、地域のために行動している人はたくさんいます。私たちは「チーム糸魚川」の一員だという意識を持ち、世代や組織の垣根を越えて、コミュニケーションをとっていきたいですね。

市長 例えばヒスイ峡のある小滝地区は、市内で最も高齢化が進んでいる地区であるにも関わらず、住民が率先して地域振興に取り組み、観光施設の運営やメニュー開発に取り組んでいます。郷土の素晴らしさを伝えたいという思いを外に向けて発信するためには、皆さんのような若い世代のサポートも必要かもしれません。青年会議所の「南蛮エビプロジェクト」などは、多くのメディアに登場し、非常にインパクトがありましたね。
理事長 私はプロジェクトリーダーとして、各所でエビの着ぐるみを着てPR活動をさせてもらいました。ここぞという時のパフォーマンスは、恥ずかしいと思ったらダメ。私は「これは意味のあることなんだ」と信念を持ち、誰よりも楽しんでいました。情熱や愛情は、必ず伝わるものだと思います。

市長 同感です。糸魚川の良さを知ってもらうには、ガイドやもてなしをする人が自分の故郷を愛していなければ伝わらない。こちらが冷めていれば、冷めた反応しか返ってきません。これは、ジオパーク事業を進める上で常に考えていたことです。先日、鉄道の利活用を考えるセミナーの講師としてお越しいただいた際に「いすみ鉄道」の鳥塚社長とお話する機会がありました。千葉県の房総半島を走るローカル鉄道ですが、大糸線で運用廃止となった古い車両を活かし、「キハが走るまち」として多くの鉄道ファンを集めています。有志が積極的に沿線の草刈りや駅舎のペンキ塗りを行っているそうで、お土産やグッズなどもオリジナリティーに溢れ、関わる人たちの愛情が伝わってきます。お金をかけるだけでなく、あるものを上手に活かしていく工夫が必要だと考えさせられました。「田舎だから何もない」ではなく、地域のことを知り、好きになって、どんどん発信していかなければ。


理事長 私たち青年会議所の良いところは、「お金がない」というところかもしれません。私はよく若いメンバーに「金がなければ、アイデアを出すか汗をかくかのどちらかだ」と言っています。しかし、物事を前へ進めていく時に、アイデアを出す段階で考え込んでしまい、動き出すまでに時間がかかります。それを打破するためには想像力が重要だと考え、今年のスローガンを『イメージ』とさせてもらいました。想像力・創造力を養うために、私は「芸術の力」が必要だと考えます。個人的な話で恐縮ですが、私は大阪芸大の卒業生で、現在も様々な分野の芸術に親しんでいます。また、仕事を通して知り合いになった新日本フィルハーモニー交響楽団を糸魚川に招聘(しょうへい)し、定期的に演奏会を開く活動もしています。東京の美術館へ行くための交通費を助成する自治体もあるそうですが、地方の場合、どうしてもプロフェッショナルな芸術を鑑賞する機会が限られてしまいます。心豊かな子どもたちを育んでいくためにも、芸術を体感することは絶対に必要です。また、素晴らしい芸術に刺激を受けて発想力を身に付け、それを観光分野やまちづくり、仕事の中で発揮できれば、地域経済の活性化にもつながるのではないでしょうか。研ぎ澄まされた感性を持つ人ならば、糸魚川の自然の素晴らしさ、重要性にも気付くことができると思います。

市長 なるほど。ダイナミックな大地の営みを思い描く感性があれば、ジオパークをより魅力的なものとして伝えることができるかもしれません。地震、津波、噴火など自然災害ばかりをイメージする人もいますし、地学は難しいと敬遠する人もいるでしょう。しかし、ロマンを感じながら伝えることができれば、もっと多くの人に興味を持ってもらえると思います。感性を磨き、大地のストーリーテラーとして糸魚川の魅力を語れると良いですね。

理事長 糸魚川の遺跡から出てきた埋蔵品などを見ますと、道具もない時代に素晴らしい芸術品を作っていたことがわかります。勾玉という、時代を超えて人々を魅了する芸術品を作っていた土地。私たちにも、その遺伝子は継承されているはずです。

市長 奴奈川姫の時代には、日本で一番賑やかで文化的な土地だったでしょうね。その頃を再現するくらいの気概を持って、共に地域振興に取り組んでいきましょう。

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構成協力:(株)アド・クリーク


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