2019年度 理事長
ほさか  しんいちろう 
保坂 真一郎

 

 

【はじめに】

私は大学卒業後、市外企業で就職し、2006年に家業を継ぐために糸魚川市に戻ってきました。その当時は、会社から言われたことをただこなしているだけで、漠然と毎日を過ごしていました。その後、2010年に取引先の先輩から入会を勧められ、(一社)糸魚川青年会議所(以下、糸魚川JC)に入会しました。入会当時からJC活動に対し、前向きであったかというと、決してそうではありません。仕事とJCの両立がうまくいかず、何もやらないうちから「できません」と言って背を向けていた時期もありました。
私自身、JC活動に対して前向きになれたきっかけは、2014年に日本青年会議所、北陸信越地区協議会、新潟ブロック協議会と3つの出向を経験したことです。そこで出会った各地会員会議所の出向者が、それぞれの住み暮らす地域のために、所属する会のためにと前向きに率先して行動している姿を間近で見たことが、JC活動に対して大きく変わるきっかけをいただいた転換期となりました。また、これらの出向経験に加え、2015年以降はLOMで組織運営に関わる重要な役割や役職を経験させていただき、メンバーと共に日々切磋琢磨を繰り返す中で、JCが自分に何かを与えてくれるのではなく、JC活動を通じて何ができるかを考え、率先して行動するからこそ、かけがえのない出会いや経験、そして成長を得ることができるのではないかと考えられるようになりました。つまり、全ては自分次第であり、学びとは誰かから与えられるものではなく、自らが掴み取るものであるという姿勢をこの会から強く学ばせていただきました。
本年度、第52代理事長を拝命するにあたり、スローガンを『POSITIVE』と掲げました。これには私自身「JC活動に対して、前向きに、率先して行動しよう!」という強い想いが込められています。失敗を恐れて何もやらないのではなく、前向きに率先して行動できるメンバーが一人でも多くなって欲しいという願いでもあります。
私自身を大きく成長させてくれた糸魚川JCと、これまで高い志と情熱を持って活動し、51年の歴史を紡いで来られました先輩諸氏に心から感謝するとともに、JC活動を通じて得た様々な経験や知識を会のために尽くし、自分自身が率先して行動することで明るい豊かな糸魚川の実現に向けて 『POSITIVE』に全力でやり抜く所存です。

【更なる組織の活性化を目指そう】

糸魚川JCは、一般社団法人長岡青年会議所からのご支援を賜り、1967年に誕生し、「明るい豊かな糸魚川」の実現を目指して活動を展開している組織です。今後も糸魚川JCが地域社会に必要とされる組織であり続けるためには、組織の更なる活性化を目指していくことが必要です。
近年、糸魚川JCでは会員拡大に力を入れており、昨年も15名を超える多くのメンバーが入会しました。その反面、これまで会の運営やJC活動を牽引してこられた先輩諸氏の多くが卒業されたことで、在籍年数や経験年数の短いメンバーが会の大半を占めている現状があります。私は、このような現状がある中で、メンバー間にJC活動に対する温度差があるように感じています。多くのメンバーが加わった今だからこそ、改めてJCの目的やJC活動に必要な知識等について共通認識を図り、より多くの仲間と切磋琢磨し合いながらJC活動に取り組める環境を整えることが大切であると考えます。
そこで本年度は、JC活動をしていく上で必要とされる知識や心構えについて理解を深められるような機会を設けます。そして、共通の目的・目標のもとに「明るい豊かな糸魚川」の実現を目指し率先して行動できるよう、JCの目的やJC活動の意義など、時代を経ても変わらないJCの本質を感じてもらえるような取り組みを行ってまいります。
また、JC活動を通じて、共に成長し合える仲間の存在も大切です。この糸魚川の未来を語り合い、共に学び、行動し、成長し合える仲間を募ってまいります。そして、メンバー個々の繋がりを深め、共にJC活動に対して率先して行動できるよう、メンバー相互の交流を図る機会を設けることで信頼関係を築き、メンバーの定着に繋げてまいります。
JC活動に対して前向きに率先して行動できるメンバーを一人でも多く増やし、地域社会の課題解決に向けて組織の力を最大限に発揮できるよう、『POSITIVE』に活動してまいります。

【企業の発展を目指し、企業経営に必要とされる能力を高めよう】

 現在、日本国内の経済環境は、全国の企業動向を対象とした日銀の短観(全国企業短期経済観測調査)から、海外経済の緩やかな成長に伴い、2017年より輸出は増加を続け、日本国内の景気回復が続く見通しであります。その一方で、2018年6月に働き方改革関連法(働き方改革を推進するための関係法律の整備に関する法律)が成立し、本年4月に大企業から順次、施行が予定されています。また、本年10月より消費税率10%への引き上げが予定されているなど、まだまだ私たちを取り巻く社会情勢や経済環境は、めまぐるしく変化を続けています。大都市一極集中が加速し、地方が疲弊していく状況の中、地域社会の一端を担う私たちの責任も重大なものとなります。目先の変化に振り回されるあまり、企業の将来に対する不安が生まれ、的確な経営判断をすることが難しくなってきているのではないでしょうか。
私は、毎年JC活動を通じて、様々な経験や知識を得られる反面、実社会で本当に必要とされる能力を高める機会が少ないと感じるようになりました。
青年会議所は、異業種の集まりでもあり、企業の代表、または経営の中核を担うメンバーが、数多く所属しています。このメンバーは、自身の企業の継続と発展を常に目指していかなければなりません。また、それぞれが所属する企業に戻れば責任ある立場に置かれていることから、行動や言動においても模範となり、責任ある対応をしていくことが重要です。私たちが日々仕事に従事できるのは、企業や地域があるからです。業績の向上や、雇用を増やし、自身の企業の継続と発展に繋げることではじめて地域社会に貢献できると考えます。
そこで本年度は、企業が今後、どのような社会情勢や経済環境に置かれても対応できるよう、企業経営に必要とされる能力を高める機会を設け、経営の中核を担う立場として学んだことが、それぞれの企業の発展と地域社会の発展に繋げられるよう、『POSITIVE』に活動してまいります。
 

地域の活性化を目指し糸魚川の特色ある魅力を掘り起こそう 

2014年より日本国内で始まった地方創生政策(大都市一極集中を解消し、地方の人口減少に歯止めをかけるとともに、国全体の活力を上げようとする政策)として現在、地域の活性化に向けた取り組みが行われています。既存の地域資源の積極的活用や、地域性(自然、歴史、文化、土地柄、田舎らしさ等)の再確認、再発見といった動きを通じ、特産品や観光地といった地域資源をブランド化しようとする試みが全国の各自治体で積極的に行われています。
糸魚川市は2009年に「ユネスコ世界ジオパーク」に認定され、様々な組織が糸魚川の大地の魅力を活かした交流人口の拡大に取り組んでいます。過去には糸魚川JCにおいても、南蛮エビや笹ずしなどの地域資源を活かした、数多くの事業を創り上げてきました。
しかし、私たち糸魚川市民には認知されているものの、全国的に認知されていない隠れた魅力や文化など、交流人口拡大に繋がる可能性を秘めたものが無数に点在しています。例えば、2016年9月に日本鉱物科学会が「国石」に認定した翡翠(ヒスイ)が挙げられます。翡翠が国石に認定された事実のみならず、糸魚川が翡翠の産地であることも認知されていないのではないでしょうか。
糸魚川には素晴らしい海も山も存在するにも関わらず、2017年度糸魚川市を訪れた観光客の総数は、約213万人(2016年度226万人)と北陸新幹線開業をピークに、糸魚川へ訪れる観光客自体が再び減少傾向にあることからも、まだまだ糸魚川の魅力を十分に活かしきれているとはいえないのではないでしょうか。様々な組織が個々に魅力を伝えるのではなく、互いに手を取り合い連携し、既存の地域資源を特色ある魅力として掘り起こすことが地域の活性化に繋がっていくのではないかと私は考えます。その特色ある魅力が輝きを増すことで、結果として「糸魚川」にも大きな光を当てることに繋がるのだと思います。
そこで本年度は、地域の活性化を目指し、既存の地域資源を活かして行政や関係組織と連携し、関係構築を図り「特色ある魅力」として、より効果的に発信します。そして、他地域から訪れる人々に糸魚川に少しでも興味、関心を持ってもらえる取り組みを行い、交流人口の拡大を目指し、『POSITIVE』に活動してまいります。

【結びに】

『謙虚にして驕(おご)らず』
この言葉は、自分自身、常に心に留めている言葉で、京セラ株式会社創始者の稲盛和夫氏の経営哲学の中の一つの言葉であります。企業経営においては、他人を押しのけてでも、強引な人が成功すると思われがちですが、本当に成功する人とは、内に燃えるような情熱や闘魂を持っていながらも、常に謙虚さを持って生きることが大切であると説かれています。
会のリーダー、人の上に立つ人間には、いささかの私心も許されません。
常に糸魚川JCのためにと前向きに率先して行動できる人でなければ、会のリーダーになってはならないということを、稲盛和夫氏の教えから、私は確信するようになりました。
本年度、私自身が会のリーダーとして強く、責任を自覚するとともに、自分自身が率先して行動し続けることで、明るい豊かな糸魚川の実現に向けて『POSITIVE』に全力でやり抜く所存です。一年間、どうぞよろしくお願いいたします。
 

<基本方針>

1 組織として更なる活性化を目指し、JCで必要とされる知識や心構えについて理解を深めるとともに、JCの目的やJC活動の意義などのJCの本質を感じられる取り組みを行う。
2 組織として更なる活性化を目指し、共に成長し合える多くの仲間を迎え入れるとともに、メンバー相互の交流を図る機会を設け、信頼関係を築き、メンバーの定着に繋げる。
3 どのような社会情勢や経済環境に置かれても対応できるよう、企業経営に必要とされる能力を高める機会を設ける。
4 地域の活性化を目指し、糸魚川の特色ある魅力を効果的に発信し、このまちの魅力をより多くの人々に感じてもらえる取り組みを行う。